広島大学工学同窓会概要 / 会長あいさつ

会長 水津卓也
昭和60年第二類卒
令和8年5月会長就任

このたび、5月31日開催の令和8年度定時社員総会において、冨田前会長の後を受け、広島大学工学同窓会の会長を拝命いたしました。歴史と伝統ある本会の重責を担うこととなり、身の引き締まる思いでございます。これまで本会を支え、発展に尽力されてこられた諸先輩方に心より敬意を表しますとともに、その志を受け継ぎ、同窓会と母校の発展に向けて微力ながら尽力する所存でございます。

さて、社会環境が急速に変化するとともに複雑化する中、同窓会の役割もまた新たな局面を迎えております。かつて同窓会は、旧交を温める場としての機能が主でありましたが、今日においてはそれにとどまらず、世代や分野を超えた人的ネットワークの形成、母校の発展への寄与、さらには社会への価値創出へと、その役割は大きく広がっております

このような認識のもと、将来を見据えて重視すべき課題が以下の3点と認識しております。まずは「同窓会の若返り」であります。若い世代の参加なくして、組織の持続的発展は望めません。近年、若手卒業生の同窓会離れが指摘される中、私たちはその声に真摯に耳を傾ける必要があります。参加しやすい仕組みづくりやデジタル技術を活用した情報発信、キャリア形成や学び直しに資する企画など、若い世代にとって「関わる価値のある同窓会」へと進化させていかなければなりません。同時に、ベテラン世代の豊かな経験と知見を次世代へとつなぐ場としての役割を強化し、世代間の交流を活性化してまいります。

次に、「大学との連携強化」であります。母校である広島大学工学部・大学院工学系研究科は、常に最先端の研究と教育を担い、社会に多くの人材を送り出してきました。同窓会はその外縁に位置する存在ではなく、大学とともに歩むパートナーであるべきです。学生への支援、産学連携の促進、共同イベントの開催などを通じて、在学生と卒業生、そして大学を有機的につなぐ仕組みを構築する必要があります。特に、現役学生が卒業後も自然に同窓会へ参画したくなるような連続性のある関係づくりを意識し、在学中からの接点を大切にしてまいります。

そして三点目が、「同窓会の意義の明確化」であります。同窓会は何のために存在するのか。この問いに対する明確な答えを持つことが、今後の発展に不可欠です。私は、同窓会とは「個々の卒業生の成長を支え、その成果を再び母校と社会へ還元する循環の場」であると考えております。すなわち、会員一人ひとりにとっては自己成長と人的つながりの機会であり、大学にとっては支援と連携の基盤であり、社会にとっては価値創出の源泉となる存在です。この三者を結びつけるハブとしての機能を明確に打ち出し、内外に発信していくことが求められます。

それらの実現のためには、組織運営の透明性向上や情報共有の充実も欠かせません。会員の皆様にとって「見える同窓会」「参加できる同窓会」を目指し、引き続き活動内容や意思決定のプロセスを積極的に開示するとともに、双方向のコミュニケーションを重視していかなければなりません。また、地域ごとの支部活動や分野別のネットワークも一層活性化させ、多様な関わり方を提供していく必要があります。

同窓会の力は、会員一人ひとりの思いと行動の積み重ねによって生まれます。どれほど優れた構想も、皆様のご理解とご協力なくして実現することはできません。どうか本会の新たな取り組みに対し、忌憚のないご意見をお寄せいただくとともに、それぞれのお立場でご参画いただければ幸いに存じます。

結びに、広島大学工学同窓会が、世代を超えてつながり、学び合い、支え合う「開かれた知の共同体」として発展し続けることを心より願い、就任のご挨拶とさせていただきます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。